この世には人に何かを与えて人生やビジネスで成功を収めていく人と、人の為にと思って与えているのに結果的に搾取されて終わってしまう人がいます。
この違いとは実はちょっとした事なんです。
一言でGive and takeといってもそのやり方や考え方や意味を理解していないと天と地ほどの差が生まれてしまいます。
ではなぜこういった差が出てしまうのでしょうか?
という事で今回は
ギバー(与える人)はなぜ成功できるのか?
成功するギバーはどんな特徴の持ち主なのか?
というお話をしたいと思います。
今回の記事は
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 アダム・グラント著
を参考に作成しています。
言わずと知れたベストセラー本。
ギブアンドテイクについて本当の意味を知りたい、深く掘り下げて知りたいと思った方には是非とも手に取って頂きたいです。
ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているのかに注目できる人です。
・他人の幸福のために働ける
・信頼したり信頼されたりする
・恵まれない人を気遣える
・他人の必要に応じて行動できる
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
つまり自分が払う犠牲を気にせず、見返りを求めず、手を差し伸べられるのです。
何もモノをあげるという行為だけではありません。
自分の「時間」「知識」「スキル」「アイデア」「人脈」などを惜しみなく分かち合おうとする人です。
しかし、その見返りを求めない、自分を犠牲にするという性格上、ギバーはそれ以外の人に比べ平均収入が14%も低く犯罪の被害にも会いやすいという事が分かっています。
それでもなぜギバーを目指すべきなのでしょう?
その理由は実は成功している人もまたギバーだからなのです。
実は成功している人たちは先に人々に与え、その後に自分が成功するという考え方を持っています。
先に人々に与える事によってみんなが声援を送ってくれて様々なスキルを持った人が気持ちよく協力をしてくれる様になるのです。
そうなることで次々と成功を波及的に生み出していきます。
ベンチャーキャピタリストのランディー・コミサーは
『周りが勝たせてくれようとすれば勝つのは簡単だ』
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
と言っています。
言われてみれば当たり前の事なんですが実は意外と忘れられている大事な事なのではないでしょか?
自分の私利私欲だけを考えている人は敵を作りやすく妬まれる対象になりやすいんです。
2019年4月現在ワイドショーなどを賑わせている某自動車メーカーのカル〇ス・ゴ〇ン元会長さんも自分の利益に走り過ぎて結局は周りの人たちに見放されてしまってしまいました。(事実はわかりませんが)
人脈作りには3つのメリットがあります。
- 色々な情報が得られる
- 色々なスキルの人と繋がれる
- 力のある人と繋がれる
ギバーが得意とする人助けを始めると評判がどんどん高まり自分の可能性が広がっていきます。
人脈を作ることによって「知識、専門的な技術、影響力」を得ることができます。
その人脈を通してさらに利他的に振舞えば振舞うほど、その人脈から多くの恩恵が得られるようになります。
最初は1本の幹だったものが最終的には何千、何万もの枝に分かれていくようにギバーが得意とする人脈作りは無限の可能性があるんですね。
トップギバーは頼り合う事は弱さではなく頼り合う事が強さの源であり、多くの人の知識やスキルをより大きな利益の為に活用しようとする考え方を持っています。
例えば仕事では自分個人の利益や手柄などよりもチームにとって最善の利益になるような仕事を引き受けるのです。
するとチーム全体が恩恵を受け、 全体の利益のパイが大きくなるのです。
結果自分が受け取る利益も多くなりチームからの信頼も得られるのです。
トップギバーはこのように考え、実際に行動しているのです。
自分の事しか気にしない教師は自分の評価を気にし、子供をその為の道具として考える傾向があるのに対し
ギバーの教師は子供に惜しみなく期待をかけ、潜在能力の高さを信じる事ができます。
教師が子供を信じると「自己成就予言」(他人から期待されるとそれに沿った行動をして期待に応えようとする心理)を働かさせる事ができます。
たとえ成績が悪い子供でも教師が期待をかけることで成績がアップするという事がわかっています。
これは教育の現場に限った事ではありません。
ギバーの上司は部下がミスをしてもそれは能力が低いからなどと思わず、学びの機会であって成長のきっかけであると捉えるのです。
部下はギバーの上司の協力的な態度に応えようとして、自信と能力を高めることができるのです。
つまりギバーはどんな人でも才能のある人間だと思い、だからこそその人の一番良いところを引き出そうとします。
ダイヤの原石を見つけるのではなく、磨くことができる人がギバーなのです。
そうすることで周りから感謝され、信頼され、思わぬ協力や利益を得る事が出来るようになります。
人に影響を与えるには基本的に2通り方法があります。
それは『優位』と『信望』です。
力や立場を利用して人よりも有利な位置に立ち影響力を確保しようとすることです。
しかしそのように半ば無理やり影響力を行使しようとしても敵が増え抵抗に合い溝も深まります。
そして新たに自分より優位な人が現れればとたんに影響力を失ってしまいます。
つまり一時的な影響力なんです。
これは独裁国家の崩壊などで歴史的に見ても明らかですよね。
では逆に成功するトップギバーの人はというと人々から信頼され人望があることによって影響力を発揮できるのです。
これは敵を作る事なく、他人に対して尊敬や感謝の気持ちをを限りなくいくらでも与えられる事ができ、それによって自分の信望が上がり積み重なると大きな影響力を発揮できるという性質があります。
つまり信望は影響力が無限に続く価値があるという事です。
元アメリカ大統領のリンカーンはギバーとしてとても有名です。
彼の功績や実績は今現在もなお語られていますよね。
それほどギバーの得意とする『信望』は人々を巻き込む力があるんですよね。
- 『ゆるい言葉使い』 ギバーは強い言葉を使ってメッセージを伝えようとするよりもゆるい言葉使いで時々ジョークも交えつつ周りとの繋がりを大事にする事ができます。
- 『弱みをさらけ出す』 ギバーは力を振るうという考えは持っていないので自分の弱点もさらけ出す事ができます。そういう人間らしさを出す事で信望が集められます。
- 『聞き手にまわる』 トップセールスマンのギバーはセールスと何も関係のない話をする中でお客さんのニーズを組み取りさりげなく商品を紹介するのだそうです。人間は自分の話をよく聞いてくれる人には好感が持て信頼できると思うのです。
冒頭でギバーはギバー以外の人の収入より平均で14%低いが、成功している人もまたギバーであるとお話をしました。
↓つまりはこんな感じです。
トップギバー>>それ以外の人>>最下層ギバー
ではトップギバーと最下層ギバーの根本的な違いは何なのでしょう?
世界的に有名なビルゲイツは世界経済フォーラムにてこの様に発言しています。
「人間には二つの大きな力がある。利己心と他人を思いやる心がある」
つまり人はこの2つの力を掛け合わせ原動力にすると最も成功できるという事です。
↓の図をご覧ください。
成功できない「自己犠牲的ギバー」は自分の利益よりも他人を優先してしまうので都合の良い人として搾取されてしまう可能性があります。
目指すべきは右上の「他者志向的ギバー」です。
他人の利益のみならず自分の利益も求められる人になる事が大事という事です。
ビルゲイツが世界フォーラムで言っていた『利己心』を忘れてしまっては最下層ギバーのままです。
受け取るより多く与えても決して自分の利益を見失わずにいられるからこそ成功できるのです。
そもそもギバーとは?
- ギバーは自分が払う犠牲はあまり気にせず自分の「時間」「知識」「スキル」「アイデア」「人脈」などを惜しみなく分かち合う。
- 最下層にはギバーが多いが成功者にもギバーは多い。
- 最下層ギバーではなくトップギバーを目指すべき。
トップギバーの特徴とは?
- 成功しているトップギバーの特徴は人脈作りが上手い。人脈を通して利他的に振舞えば振舞うほど、その人脈から多くの恩恵が得られるようになる。
- チームにとって最善の利益になるように動くことでチームに大きな利益をもたらし結果として自分の利益のパイも大きくなる。
- ギバーはどんな人でも才能のある人間だと思い期待をかけることで他人の才能を開花させ結果として自身に利益がもたらされる。
- 「ゆるい言葉使い」「弱みをさらけ出す」「人の話を聞く」で他人と信頼を構築し信望されることで結果的に利益に繋がる。
- 「自己犠牲ギバー」ではなく「他者志向的ギバー」を目指し受け取るより多く与えても決して自分の利益を見失わないようにする。
ただ、当たり前かもしれませんがトップギバーとして成功するには時間がかかります。
焦らず着実にやっていくことが成功のカギなのではないでしょうか?
『ウサギと亀』の亀のようにゆっくりと着実に進んでいけば成功というゴールにたどり着けるのではないかと思っています。
最後にトップギバーになる為には一言で言うなれば
『情けは人の為ならず』『因果応報』
これに尽きます。
ではでは!
今回の記事でギバーについて興味が湧いた方は以下の本を手に取って読んでみることをオススメします。
著者のアダム・グラント氏は名門ペンシルベニア大学のウォートン校にて史上最年少の終身教授として活動されています。
そしてこの「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代」はベストセラーとして高い評価を得ています。
難しい内容を簡単な表現で書かれており人間関係の本質が見えてくるまさに人生の教科書ともいえるような一冊です。
一家に一冊置いておきたいくらい皆さんに読んで頂きたい本です。
特に若い人たちには今後の人生について考える1冊になると思います。
ぜひこの本を取りギブアンドテイクについて理解を深めていって欲しいなと思います。
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